サマーウォーズがあまりに微妙すぎて期待度ゼロ
どうせ細田守版トトロで子供かわいい、家族大切でお茶を濁すクールジャパン(笑)アニメかと思いきや、時をかける少女に匹敵する素晴らしい物語アニメだった。
今回も狼男というファンタジー要素を一点盛り込んでいるがサマーウォーズのような薄っぺらさはなく、むしろ重くシリアスな描写。
予告やプロモーションの映像はある意味フェイクと言っていいかも。
一応子供向けアニメ的役割もになっているはずだが
花と狼男の結ばれるシーンも描くし、雨と雪の後味の悪いガチ喧嘩も描く。
どちらかというとハイティーン以上がメインターゲットな内容だった。
冒頭からして母となる花と狼男の出会いから始まり、雪と雨が生まれ、別れるまでが丁寧に描かれる。
その時点でこの映画はまじめに物語を描くんだなと悟る。
おおかみこどもという特殊な設定と母親だけでの子育てという困難を克服していく過程を興味深く、面白く描いていく、そのクオリティは絵的にも話的にも非常に高い。
田舎に引越し生活基盤も安定してきて子供も学校に通いだす、そこまで来てどうやって物語を終わらせるのかと思わせた所で
母の物語が子の物語になり、その早過ぎる人生の選択と言う節目で締める構成も素晴らしい。
狼として生きるか人として生きるか
二人にこの選択肢を与えられた時点で花は母親として素晴らしい事を成しているのに
まだ何もしてあげてないと母が叫ぶクライマックスで再び母へ物語が収束していくエンディング。
単純な泣き落としではない、悲しみと喜びが入り混じった終わり方も素晴らしかった。
内容的にもクオリティ的にも宮崎アニメにかわる国民的アニメになってもおかしくない作品。